茅ヶ崎雄三通り 東海岸商店会 公式PV、加山雄三さんの「海、その愛」のアカペラカバー動画に細井涼介が参加しました。
どうも!細井涼介です。
スタジオ白鯨さん制作
加山雄三さんの「海、その愛」のアカペラカバーのアレンジ、コーラス、ミックスを細井涼介が担当しました。
心温まる素敵な映像に参加させて頂いて光栄でした。
ぜひご覧ください。
ふれあい編
主人公が、雄三通りを散歩しながら、商店会のいろいろなお店を巡る映像です。
KEEP LEFT編
商店会で推進している交通啓発のキーワード「KEEP LEFT」を、主人公と加山雄三(?)さんが映像で伝えます。
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お知らせはここまで。
ここからはマニア向けの制作の話w
1、楽曲の魅力。
今回の曲は加山雄三さんの「海、その愛」。
これすごく良い曲で、加山雄三さんのソングライターとしての魅力を改めて感じました。
歌もメロディーも強くて、コード進行のセンスとかが一味違う。
カバー作品を作ることはその楽曲に向き合うことで、今回の企画でこういう名曲をじっくり堪能出来たことも幸せなことでした。
2、海の深みを表現するボイシング。
海は雄大で、人間の想像を超えた深い深い世界。
アカペラのコーラスで表現するにあたり、普段よりボイシング(音の積み方)をかなり低くしました。
同じドミソでもどれくらいの高さに、どう積み上げるかで印象は全く変わるもの。
今回は低く低く、深く深く。
山下達郎さんのon the street cornerで聴けるようなハミングのイメージで。
「ウー」、「mnn(ハミング)」は歌い出しをストレートに入るのと、下からしゃくり上げるように入るのでは随分印象が違うもの。
今回はしゃくって味をつけるが良きと考え、全パートその方向で録音を重ねました。
コーラスのフレージングの参考曲として山下達郎さんの「Love can go the distance」を聴きながら(半分趣味)。
3、曲の情感を表現すべく、コーラスのニュアンスで全力を尽くす。
今回のコーラスワークは、何より曲の情感を表現することに全力を注ぎました。
それはしゃくり、ビブラートなど人間の揺らぎ要素の中に現れるもの。
そういった揺らぎをたっぷり入れても成り立つように今回はあえてボイシングをシンプルに。
つまり複雑な響きのテンションコードは要所に絞り、全体的にはシンプルな3和音でアレンジしました。
一般的には複雑な和音構成であるほど、ビブラートやしゃくりといった揺らぎ要素の許容度が低く、シンプルな和音ほど揺らぎの許容度が高いもの。
逆に言うと、シンプルな和音構成では1パートずつの表現が大切になってくるということです。
それゆえ録音に当たって以下を筆頭に心がけました。
・各パート、歌い上げる。
・語尾のビブラートは普段のコーラスワークよりも多めにかけてみる。まるでリードボーカルのように。
・「Woh」とか「Hah」とかも徹底的に味をつける。ゴスペルライクなゴリっとしたタッチを感じさせるコーラスワークを目指す。
4、リードボーカルはその人が持つ特性を活かす。
今回リードボーカルを担当した佐藤紀恵さんは溢れ出す切なさが魅力のシンガーでした。
アカペラを録音するときにはピッチやリズムが正確であることの優先度が高くなる傾向があります。
リードボーカルも例外ではないのですが、そこに囚われすぎないことが大切だと今回改めて感じました。
今回の録音では「良いテイク=ボーカリストが表現したいこと、ボーカリストのカラーや個性がよく出ている、胸に響くテイク」と定義して、録音を進めました。
例えばピッチが微妙に高いというのはハーモニー的にはマイナス要素になるリスクもあるのですが、歌の表現としては溢れ出る感情の切迫感として、プラスにもなり得ます。
なんならジャストじゃないポイントにこそグッと心を掴まれる。
僕の個人的な経験では、「なんか良いテイク。好きだな」って思ってピッチ解析ソフトで分析をすると、大抵ジャストより随分高かったりします。
そして歌い手の個性というのはちょっと高くなったり、低くなったり、揺れたりとか、そういう人間的な揺らぎの部分、あるいはどう揺れるかというところにこそ現れると思うのです。
今回は視点で、リードボーカルの録音を行いました。
佐藤紀恵さん、心にじんわり沁みる素敵な歌声をありがとうございました。
今回は以上です。
アカペラ研究室「LET'S A CAPPELLA AGAIN」、新作を鋭意製作中です。
完成したらぜひお聞きください!
LET'S A CAPPELLA AGAIN!!!!
細井涼介